2025년 05월 22일
암세포이미지
大熊製薬(Daewoong Pharmaceutical)は、2025年4月に米国シカゴで開催予定の米国癌学会(AACR 2025)...

大熊製薬(Daewoong Pharmaceutical)は、2025年4月に米国シカゴで開催予定の米国癌学会(AACR 2025)年次総会にて、同社が開発中のがん治療用新薬候補パイプライン3種を世界で初めて公開すると発表しました。今回紹介される候補物質は、いずれも**First-in-Class(世界初の作用機序)**を目指す革新的な新薬として位置づけられており、標的治療薬「DWP216」、免疫チェックポイント阻害剤「DWP217」、合成致死アプローチによる抗がん剤「DWP223」が含まれます。

■ 標的抗がん剤 DWP216:TEAD1に対する選択的阻害薬

「DWP216」は、がん遺伝子NF2の変異によって活性化されるTEADタンパク質のうち、TEAD1のみを精密に標的とする分子標的薬です。従来のTEAD阻害薬がTEAD1~4を一括で阻害することによる腎毒性の懸念がある中、DWP216はその選択性によって副作用リスクの低減を狙っています。さらに、血液脳関門(BBB)を通過する能力を有することから、脳腫瘍および転移性脳がんへの応用可能性も示唆されています。加えて、EGFRやKRAS変異を有するがんに対する併用療法との相乗効果も前臨床段階で期待されています。

■ 免疫抗がん剤 DWP217:腫瘍微小環境(TME)における免疫活性の再構築

「DWP217」は、腫瘍内で免疫抑制を誘導するアルギナーゼ酵素(arginase)を阻害し、腫瘍微小環境(TME)内の免疫応答を回復させる新規免疫療法候補です。従来のPD-1/PD-L1阻害剤が免疫系を間接的に活性化するのに対し、DWP217は免疫抑制の根本因子に直接作用するアプローチで、動物モデルにおいて高い免疫活性化作用が認められたと報告されています。今後、既存免疫療法との併用可能性にも注目が集まっています。

■ 合成致死型抗がん剤 DWP223:PARP耐性にも対応する新機序薬

「DWP223」は、BRCA変異を持つがん細胞が依存するDNA修復経路「Polθ(ポルシータ)」を標的とする合成致死型抗がん剤です。この薬剤は、PARP阻害剤に耐性を示す患者に対しても応用可能性が示唆されており、正常細胞を損なわずにがん細胞を選択的に死滅させる新たな治療アプローチとして期待されています。前臨床データでは低用量でも有意な腫瘍縮小効果が観察され、体重変動や血液毒性などの副作用も見られなかったと報告されています。

DWP223は現在前臨床開発段階にあり、2025年中のIND(治験申請)を目指して開発が進められています

大熊製薬のパク・ソンス代表は、「AACRでの発表は、当社の創薬力をグローバルに示す機会となる」と述べ、「自己免疫疾患や線維症に続き、がん領域においても革新的な新薬開発を推進していく」と語りました。